はじめまして。 このたび、理事に就任させていただくことになりました長友佑樹です。

前職の株式会社ネクストでは、当NPO代表の横井の部下でした。わたし自身はアトピー有症者ではありませんが、横井が2010年頃から、悪戦苦闘をしながら有症者の方向けの新規事業を立ち上げたりしている姿に心を打たれて、微力ながら協力をさせていただいていました。

もともとアトピーのことをよく知らず、「かゆいだけの病気」「肌が荒れて大変だなあ」と思っていましたが、かゆみ以上に、人によってはいじめに発展してしまったり、仕事にも制限が出たりと、様々な心の問題にも影響してしまっているのだと知るようになりました。

そんな中、アトピーを心身医学の観点から治療されている皮ふ科しみずクリニックの良ちゃん先生(清水良輔先生)に出会い、目から鱗が落ちるような参考になるお話をたくさん伺いました。また、良ちゃん先生に紹介していただいた心理療法の本も読むと、これはアトピー治療に限らず、人生をも豊かにするための大事なことを教わっているのだと思うようになりました。

アトピーと真剣に向き合い、良くするための努力を続けてこられた方を何人もお会いして、気づいた共通点があります。それは、気持ちの面を重視している点です。どうやって良くなるかという方法論よりも、良くなりたいという強い意志を持っている方が多いのです。一つ方法を試してみて上手くいかなくても、また別の方法を試してみて、自分に合うものが見つかれば良いという前向きな考え方をしています。努力の方向性が、方法論ではなく未来志向の方が多いように思います。

良くする努力の方たちの共通点がもう一つあります。それは、他者への貢献意欲です。つらい思いを乗り越えてきた人たちだからこそなんでしょうが、皆さんとても周囲の人たちへの思いやりに厚いのです。アトピーに限らず、困っている人や悩んでいる人の気持ちに親身に寄り添うことができる方たちに多く出会うことができて、わたしもとても影響を受けました。

個人的な話になりますが、わたしには6歳の娘と3歳の息子がいて、たまたまなのか運命なのか、不思議なご縁で、2人ともアトピーです。おかげさまで、いまは首や関節にしっしんや掻き傷が見られるくらいに良くなりましたが、幼稚園に上がる前まではステロイドを服用していたほどでした。

アトピーの子どものケアに関して、家にほとんどいないわたしよりも、何倍も苦労をしているのが妻です。いまでも妻は登校前、お風呂上り、就寝前には必ず子どもたちに薬を欠かさずに塗布しています。「毎日薬を塗るのって大変…」「いつになったら治るのかな…」とたまに不満や不安をわたしに漏らします。

きっと同じようなご家庭も多いのではないかと思いますが、そんなときにわたしはいつも思い出すことがあります。それは、「子どものアトピー治療に父親が関わるようになると良くなる子が多い」と良ちゃん先生が長年のアトピー診療経験から仰っていた話のことです。

最初にこの話を聞いたとき、とてもハッとさせられました。子どもの通院に付き添ったこともほとんどなければ、薬をあげるのも妻に言われるときだけでしたし、日々、妻や子どもの話に耳を傾けることができているのだろうかと大きく反省しました。それから、妻や子どもに対する向き合い方は変わったと思います。たまに病院についていくこともあれば、夫婦の会話も量はともかく、質は上げられるように努力するようになりました。妻に言わせれば、まだまだ足りないと怒られそうですが(苦笑)

この活動に参加するようになって、アトピーについて理解が深まっただけでなく、家族関係も改善でき、本当に感謝しています。少しでもその恩返しをしたいという思いで、今後皆様のお役に立てるよう微力ながらつとめさせていただきます。よろしくお願いします。

ゆうき

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