こんにちは。NPO法人アトピーを良くしたい横井謙太郎です。

 

ここを訪れてくれたみなさんは、きっと、アトピーの方、もしくはそのご家族、恋人や友人だと思います。私たちはアトピーサロンというシェアやイベントを50回以上開催してきました。アトピーサロンとは、みなさまと同じように、アトピーの方、ご家族の方の悩みや解決方法をシェアしていただき、共感の場・憩いの場として継続しています。また、理事の皮ふ科しみずクリニック院長清水良輔先生の医師としての経験、それから、私や理事たちのアトピーが改善した経験、その内容をわかりやすくランキング形式でまとめることで、今日このページに訪問してくれたみなさんの、参考になることを心より願っております。「100人のアトピーの人がいれば、100通りのアトピーの良くなり方がある。」という考え方を大切に、その中でも共通点をさぐっていきます。

 

40アトサロペア

 

【アトピーサロンでよく話しにでてくるランキング!】

 

★第1位★ 「アトピーとストレス」

「アトピーの調子とマインドやココロは関係あると思いますか?」という質問をアトピーのみなさんにしてみました。「とてもある」79%、「たまにある」21%、「ほとんどない」0%、「ない」は0%という結果でした(38名)。それくらい、みなさんにとって、内面、心、モチベーション、マインドはアトピーの調子と関係があるようです。特に、人間関係、受験、就職、仕事、結婚、出産、引越し、などのときに悪化したという経験がある方が多いですね。また、不眠、痒み、学校に行けない、仕事に行けない、子供つくるのが不安、水泳がイヤだ、病院がイヤだ、化粧ができない、犬や猫を飼えない、半袖が着れない、旅行に行けないなど、様々な不安があります。

ストレスについての清水良輔先生の見解はこうです。医学的証拠はありません。しかし、アトピーの皮膚の炎症において中心的役割を果たしているヘルパーT細胞というリンパ球(白血球)は不安で活性化すると言われています。何らかしらのストレスを受ける➡掻く➡さらに傷を見てストレスを受ける➡アトピーにまつわる不安が増える➡さらに悪化するという、2重のストレスがアトピー悪化の負のスパイラルになっていると言います。

当NPO法人にとってできることは何か?ストレスや不安が全くなくすことは不可能です。ある程度のストレスは必要とも言われています。しかし、不安になる必要のない不安は取り除くことができれば良いと思っており、アトピーサロンでは共感の場・憩いの場になれば良いと思っています。

 

★第2位★ 「アトピーと温泉・湯治」

これもアトピーサロンではよく話題になります。北海道の豊富温泉、秋田の玉川温泉、群馬の草津温泉、このあたりがよく話にあがります。特に豊富温泉は、アトピーの人だけでなく、乾癬の方も多くいらっしゃるそうで、豊富という町全体で町おこしをしているそうです。

温泉の話題が良く上がりますが、効果は人それぞれで、ネガティブな意見としては、体が熱くなるからイヤだ、行ったときは良いのだけど東京に戻るとアトピーが悪化するなどがあります。湯治は意見が分かれるところです。酸性、強酸性、アルカリ性、水質も様々ですから、自分に合ったものを試してみる方も多いですね。また、自宅温泉療法や半身浴など、自宅でできることを取り入れてうまくいった例もあります。

 

★第3位★ 「アトピーと留学」

これは清水良輔先生の治療経験、アトピーサロン参加者の話から、留学をするとアトピーが良くなるという人がとても多いです。もちろん医学的なエビデンスもなく、統計データをきちんと取ったこともないのですが、今までのアトピーサロン参加者だけでも、留学した10名くらいの方から、留学するとアトピーが良くなったと聞いたことがあります(1名留学中に悪化したという方もいました)。普通であれば、アトピーが良くなったのは、環境が合ったから、水が合ったから、湿度が良かったのではないか?自然豊かな国だったのではないか?そう思われるかもしれません。ただ、その人たちの話を聞いていると、どうもそれでは説明がつきません。なぜなら、ロンドン、タイ、ロス、ニューヨーク、ドバイ…など、ん?東京と比べてもあまり環境が良いイメージはないところばかり。さらに話を聞くと、英語を学ぶことで必至だった、アトピーなんて気にしてられなかった、アトピーを治すために海外へ渡ったなど、心の状態は、とにかく前向きであったことが共通点でした。留学をしてみるのも一つの方法かもしれませんね。

 

★第4位★ 「アトピーとステロイド」

ステロイドか、脱ステロイドかについてもよく話にでてきます。アトピーサロンには、ステロイドを使っている人も脱ステをしている人も参加します。当法人は皮膚科医とは違いますので、ステロイドを推奨しているわけではありませんし、脱ステ団体でもありません。ステロイドを使ってコントロールするということを明確に決めている人がシェアしてくれることもあります。脱ステロイドで頑張っている!成果がでてきたよ!とシェアしてくれる人もいます。自分の信じる道を選択して、人には強要しない。これが一番です。

清水良輔先生は、「薬に極端な不安がなければ薬の力を借りてアトピーの影響を受けていない人生を目指すことが悪循環から抜け出す手段のひとつだと思いますし、薬の力を借りなくても実現は可能だと思います。」と言っています。

 

★第5位★ 「アトピーと食事療法」

当法人理事に栄養士の中村がいますが、アトピーサロン参加者から食事の話も良く出てきます。ストイックに肉や魚を制限する人もいれば、食品添加物は絶対に食べない!という人もいれば、気軽な感じで悪そうなものは食べないという人もいます。最近ではファスティングをしたらアトピーが改善したと話も聞きますね。〇〇を食べないという話とは逆の発想で、カラダに良いものを食べるという考え方の人も多いですね。食物アレルギーの話も似ていて、除去するという発想と医師の指導の元少しずつ取り入れていくという発想があります。

ほとんど食べるものには気を使わずに寛解させた私にとっては、みなさんのストイックさにただただ感心しています。良いものを摂取して健康になり、そのことによりモチベーションもあがり気分も良い。この循環は2重のストレスから脱出する一つの方法かもしれません。ストイックすぎてストレスがかかっているということはないように注意が必要ですね。

 

11781839_719626741499982_744122558048062259_n

 

★第6位★ 「アトピーと運動」

これも清水良輔先生が言っていました。「中学や高校の頃部活をしていて、汗をかいていた時の方が、アトピーの調子が良かった。」という方が非常に多いそうです。アトピーサロン内でも、汗をかくと良くなる、運動をすると平均体温が上がるなど、良いイメージがあるようです。一方で、汗をかくと痒くなるという恐怖心から汗をかかないように生活していたり、そもそも社会人になってから仕事がメインになり運動をしていないという方は、悪化の傾向にあるようです。運動の方法も人によって様々です。ヨガに集中することでアトピーが良くなったという人も多いですし、ジムに通ってマラソンやウェイトトレーニング、ダンスなどをして良くなった方もたくさんいます。モチベーションがあがりそうなら、やってみるのも手かもしれません。

私もチャレンジしましたが、2つの理由で断念しました。1つは、とにかく「汗のかき始めが痒い!」ということ、もう1つは「ロッカーで着替えるときに、人の目が気になる」ということ。チャレンジしたってうまくいかないことだってある。断念することだってあります。それでも頭をひねる、考える、前を向く。汗をかくと良いというイメージはありましたので、半身浴を1年半やり続けました。はじめは、なかなか汗をかけませんでしたが、1ヶ月後には汗ダラダラです。お湯は38℃のぬるま湯、お湯はりは胸の下くらいまでにして1時間くらいつかります。良かったのは、汗をかいてもすぐにお湯で流せるということ。汗をかいた分、2リットルくらいの水を飲んでいました。汗で悪いものをだして、水で良いものを取り入れる、そんなイメージがうまくいきました。

 

★第7位★ 「アトピーと皮膚科医」

○○先生の治療を受けたという話しもでてきます。多いのは、土佐清水の丹羽耕三先生、川崎の山本綾子先生、大泉の藤澤重樹先生、人形町の上出良一先生などの話しがでてきます。この話しを聞いているだけで、診療方針にも様々であることがわかります。丹羽先生は、SOD・食事療法・軟膏療法を中心に治療されています。山本先生はアトピー発症機序理論を考案され、1.基礎医学に忠実で、理論的に間違いがないこと、2.副作用が無いこと、3.誰にでも必ず効果があること、4.多額の費用がかからないことを大切にされています。藤澤先生は脱ステロイド・脱保湿で有名な先生です。上出先生は元慈恵医大皮膚科診療部長で大変著名な先生で、最近人形町で開業されたそうです。また、当NPO法人の理事で神戸の清水良輔先生は、私たちの活動拠点である東京からは少々距離がありますが、皮膚科医で唯一心身医学を導入されている先生で、全国から毎日何百人もの方が訪れています。

このドクター選びも、私たちアトピーを寛解させるには、とても大切な要素ですね。

 

★第8位★ 「アトピーと好きな事」

アトピーサロンではよく、ワークをやります。その中でも「どんなときに掻いていないですか?」という代表的なテーマがあります。そのときに、自分の好きな事をしているときと答える方が非常に多いのです。それも人によって千差万別。ゲーム、ゴルフ、マラソン、料理、ライブ、陶芸、旅行…アトピーから一歩離れたところで、好きな事は何かを考えてみる。これもアトピーを良くするためのヒントになりそうですね。

 

★第9位★ 「アトピーと仕事」

アトピーと仕事のバランスが難しいという話しもよくでてきます。社会人であれば誰もが悩むことかもしれません。そもそも、働ける状態ではないということもありますし、働けたとしてもがんばり過ぎてしまう人が多いように思います。アトピーサロンでの話しを聞いていると2つにわけることができます。1つは、仕事を休まずに前を向くことによって良くなる人。もう1つは、仕事を休職したり、退職したりして寛解する人。仕事上の人間関係がイヤでしょうがなかったという人が、会社をやめたらアッと言う間にアトピーが良くなったということもあります。仕事をやり続けながらも、うまいところを探し、自分なりのバランスを見つけているようです。なかなか、ズバリの答えがあるわけではありません。その人のマインドやモチベーションによって変わってきます。

 

★第10位★ 「アトピーと結婚・恋愛」

パートナーや家族のサポートについての話しです。過去の経験から、周りに感謝しているという話しが多いです。この話しが、一番もらい泣きをしてしまいます。それは自分の体験と重なるからだと思います。一方で、人の目が気になり、結婚や恋愛に自信がもてない、また、子供を生んでアトピーだったらどうしようという不安をもたれている方もいます。これを解消するには、話すことが一番です。そのために、私たち「NPO法人アトピーを良くしたい」はアトピーサロンやカウンセリングを提供し続けていきたいと思います。

 

SONY DSC

 

さて、アトサロあるあるランキングいかがでしたか?んー!わかるわかる!というところもあれば、自分には違うなーというところもあったかと思います。アトピーをアトピーという言葉で一括りにすることはできません。百人百様なのです。男性でも女性でも違う、親と子供でも違う、そもそも感じ方や考え方は人それぞれ。アトピーと切り離してもこの世に同じ人なんていません。治療法ややり方も大切な要素です。でもマインドやあり方も大切な要素です。アトピーの人は治療法にばかり偏る傾向があると思っています。心やあり方も忘れずに。あり方とやり方両方が、車の車輪のようにバランス良く走り出したときにアトピー性皮膚炎が改善し寛解するのだと思っています。それが、アトピーサロンやイベントを50回以上開催してきた、みなさんの共通点のようです。

 

Pocket