みなさん、こんにちは。若月麻里子といいます。幼少期からアトピー性皮膚炎を患い、19歳のときにステロイド剤の使い過ぎで「ステロイド皮膚症」と診断されて脱ステを決行しました。その後、20代の大半を脱ステ状態で過ごし、その後しばらくは良い状態を保っていましたが、30代後半でまた悪化しました。人生の折り返し地点に差しかかった今は小康状態を保ってはいるものの、残念ながら完治はしていません。NPO法人アトピーを良くしたいの活動に参加して早3年、気が付いたら古参メンバーになっていました・・・(笑)。

 

私は今、「アトピーサロン」に参加しつつ、プロボノメンバーとして団体運営のお手伝いをしています。 今回はなぜ私が「アトピーサロン」に参加し続け、プロボノメンバーとして団体に関わっているのかを少しご紹介できればと思います。

 

「アトピーサロン」はずっと欲しかった心のオアシス

 

アトピー性皮膚炎は今でこそ珍しい疾患ではなくなりましたが、重症度が高ければ高いほど生活に多大に影響が出てくる疾患だということは、社会的にはあまり認知されていないと感じます。「大人になれば治るんじゃないの?」「人前でそんなに掻いたらダメだよ、痒みくらい我慢できないの?」「死ぬわけじゃないし、薬で痒みが止まるならマシじゃない」「湿疹が出たくらいで会社休めて新入社員はいいよな」。どれも実際に私が人から言われたことのある言葉です。言った本人たちに大して悪気はないのでしょうが、このようなことを言われる度に思いました。「あんた達が思っているほど簡単な話じゃないんだ」と。

 

私にももちろん理解をしてくれている友人や仲間、家族はいるのですが、アトピーにまつわる不安や不満、孤独感、ともすれば絶望感は同じ境遇を味わった当事者でないと、根っこの部分までは理解できないだろうと感じています。実際、長い間心の底にたまったマグマのような思いを、なかなか解放・共有できる場もありませんでした。

 

私が「アトピーを良くしたい」に出会ったのは、脱ステ後の人生第2の危機、しばらく良好だったアトピー症状が一気に悪化し、そのために仕事も辞めざるを得なくなり、心身の立て直しを図っているときでした。自分でも「アトピーで悩みを抱えている人たちと話したい」と無意識に欲していたのでしょうね、偶然ネットサーフィンをしていたときに代表の横井さんのブログに行きつき、アトピーサロンの開催を知ったと記憶しています。どんな団体かはわからないけど、とりあえずそのような場があるなら行ってみようと思ったんですね。まだ、アトピーサロンを開催して3,4回目のときだったと思います。

 

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同じ疾患を通して、似たような境遇や悩みを抱えた人たちの交流は、自分自身を飾ることなくあけっぴろげにできる癒しの場所でした。あれこれいちいち説明しなくてもすぐに理解してもらえる心地良さや、痒くて体を掻いていても「掻くな」と言われない開放感。新たな自分の居場所を見つけた気がしました。誰かが言っていましたが、まさに「グループセラピー」のような場だったのでしょうね。

 

アトピー治療の方法を特定せず、本人の意思とやり方を尊重

 

「100人のアトピーの人がいれば100通りのアトピーの良くなり方がある」というおなじみのキャッチフレーズがありますが、私はこの団体のある特定の方法に固執しない方針が気に入っています。同じアトピーでも、アレルゲンの違い、症状が低下する季節の違い、使う薬やスキンケアグッズの合う・合わない、環境の違いなど、事情は人によって千差万別です。

 

ちなみに、私自身は「NOステロイド&皮膚科、GO温泉&保湿、腸内環境改善強化」を自分のテーマとしてアトピー対策を試みていますが、それが他の人にあうかどうかはわかりません。私はステロイドと相性が良くないので使わないことに決めましたが、もしステロイドでうまくコントロールできているなら使ったほうが良いし、信頼できる皮膚科医がいるなら通ったほうが良いと思っています。残念ながら、私の場合は人の話を大して聞かず、すぐにステロイドやプロトピックでどうにかしようとする医者が多かったので、皮膚科に通うこと自体を止めましたが、この人なら信じても良いと思う先生が見つかったら行くかもしれません。また、他の人がやっていることで「なんだか良さそうだ」と思うことにはトライしてみるかも知れません。

 

最初の頃はあまりにも色々な方法論が出すぎて、どれを選択することが自分のとって良いのか混乱することもありましたが、結局のところ、あれこれ実験を繰り返して自分で良くなる方法を研究することが一番早道なのかもしれないな、と思うようになりました。アトピーを客観視するためにも、ひとつの方法に捕らわれるのではなく、色々な視点があってしかるべき、とも思います。

 

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問題解決には「ピアサポート」という方法が私には向いている

 

「ピアサポート」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。Wikipediaからの引用ですが、一般的には、「同じような立場の人によるサポート」といった意味で用いられるようです。「同じような課題に直面する人同士が互いに支えあう」といった意味合いも含まれます。アトピーのことだけではなく仕事やプライベートも含めて、これまでの自分の行動を振り返り、問題や課題に直面した時にどうやって解決に持っていくことが多かったかなと考えると、似たような問題や境遇にある人たちに相談したり話を聞いたりすることで解決策を見つけ出してきたことが多かったように思います。単にサポートする人・される人という上下の関係だけではなく、自分と同じ目線にいる多くの人たちと交流することで独自の解決策を見つけ出す方法が私には向いているように思いました。そういう意味では、まさに「アトピーを良くしたい」はピアサポートの意味合いが強い団体だと言えるのではないでしょうか。

 

次回は、「アトピーサロン」の続きと、なぜ「プロボノ」として活動するのか?というタイトルで書いてみたいと思います。

 

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