こんにちは。NPO法人アトピーを良くしたいの中村亜希子です。
先日アトピーフリーコムさんの講演会「アトピーと仕事」に参加してきました。
会は二部制で、第一部はアトピーと仕事について、3名の方による講演でした。
フリーコムの代表で社会保険労務士として働いている有田省造さん。
アドラー心理学派の心理カウンセラーである加藤隆行さん。
不動産業界で独立されて投資家としても活躍している小林俊広さん。
それぞれご自分の分野に関する講演でした。その中で今回は心理学的にアトピーと仕事の「心のあり方」を取り上げていた加藤さんの講演内容をシェアしたいと思います!
そもそも仕事の何がつらいのか?
結果が出せない、効率よくできない、できない自分への自己嫌悪、職場の人付き合い、仕事量が多い、などですよね。加えてアトピーの人は、かゆくて眠れない、残業で悪化する、まわりに症状の辛さを分かってもらえない、などつらいことも増えていきます。
これらのことがなぜつらいかというと、〜するべき、〜ねばならない、というルールが自分の中にあるからなのです。
結果が出せない→結果を出さねばならない
効率よくできない→効率よくやらねばならない
アトピーで眠れない→眠れなくても仕事せねばならない
もちろん仕事上のノルマなどはあるかもしれませんが、つらいと思っている物事は、実は自分で作ったルールのせいだと、加藤さんはおっしゃっていました。
一般的にアトピーの人は我慢強い、頑張り屋、完璧志向な性格の方が多いと言われていますよね。幼少期からアトピーだった人は、親からかくことを我慢させられてきた経験もあります。そして親に申し訳ないという気持ちを持っている方も多いようです。
自己評価が低い人が多いため、役に立たねば、自分がやらねば、自分が悪い、と思いがちなんだとか。
そこで加藤さんの驚くべき発言「言われた仕事は本当にやるべきなんでしょうか?」
普通の考えでは、言われた仕事はやるべき、それが働くということだ!と思いますよね。
しかしアトピーの人には、アトピーではない人に比べるとどうしても「身体がつらい」という問題がついてまわります。
そして役に立たねば、自分がやらねば、という気持ちが強いゆえ、頑張りすぎてしまう傾向があります。つい自分の枠、許容量をオーバーしてしまう。それによりつらく苦しくなる。キャパオーバーでミスがあったりもする。
「のに」があなたの容量オーバーサイン
こんなにがんばってるのに
こんなに残業してるのに
いつも自分ばかりやってるのに
加藤さんいわく、アトピーの人の仕事量は自分の考える6割でいい!あなたが仕事を決めて良い、選んでいい。自分が体調維持できる仕事量にすることが大事なのです。
自分を大切にする「勇気」と「覚悟」を持ってもらいたい
①できない自分を認めること
アトピーでたくさん働けない自分で良い、評価されなくていい、認められなくて良い。
②頼る、迷惑をかける
アトピーで迷惑をかける自分で良い。
「ここまではできます」「体調を考えるとこのくらいの仕事にしてください」「これは○○さんがいいのではないですか?」言える勇気を持とう。まわりの人への理解がなにより大切。
実は皆優しい、ダメだしをしているのは自分。
③「恐れ」と「べき、ねばルール」は【妄想】
「べき」「ねば」は、過去に自分を守るために作ったルール。緩める、捨てて良い、怖くてもやってみる。
まとめ
がんばってきた自分はエライ!
でももうそこまでがんばらなくていい(仕事は自分で決めて良い)
自分を大切にする勇気と覚悟
今の自分がスタートライン(アトピーの自分を認め、そこに小さなイチを足していく)
第二部では「慢性疾患を抱えて働くということ」がテーマの座談会でした。3チームに別れてディスカッションを行ない、私は加藤さんのチームに参加して、以下のようなお話がありました。
・会社の人にはアトピーだと言いづらいが、「見れば分かるでしょ」では相手には伝わらない。相手も忙しいし、こちらからアプローチせずに助けてはもらえない。きちんと伝えることが大切。断られたとしてもこの人はそういう人なんだ、で終わらせる。すべての人がそういう人ではない。
・「アトピーさえなければもっとできるのに」という気持ちがあるとは思うが、自分のキャパシティをきちんと理解する。自分なりの頑張りを認めるのは、まわりではなく自分である。
・明らかに分かりやすい仕事量をこなすことよりも、まわりを和ます、人間関係の潤滑油になるなど、自分の気づいていない能力(キャパシティ)があるかもしれないから、そこにも目を向けてみる。
・社会の価値観に合わせない。アトピーではない人と自分を比べない。
・また悪くなったらどうしよう?と事前に色々と考えてしまうけれど、怖がることは実際にそんなに起きない。必要以上にブレーキをかけず、段階を踏みながら頑張っていく。バックアップしてもらえるようにまわりにシェアすることで楽になる。
・うさぎとかめに例えると、うさぎではなくかめになろう。自分なりのペースで目標までいけばいい。
感想
きっとこれを読んで「分かってる、分かってるけど実際にはそんな簡単にいかない!」と思った方もいらっしゃると思います。そこで「勇気」と「覚悟」が必要だということなんですね。
アトピーサロンでも「アトピーと仕事」については良く出る話題のひとつです。今は働き方が多様化しているので、在宅ワークされている方、オンラインで仕事されている方、仕事のやり方は人それぞれです。「こうであるべき」という概念を取り払うことでプレッシャーやストレスから解放され、アトピーが改善する方も少なくありません。
「アトピーと仕事」あなたはどのようにバランスをとっていますか?
誘っていただいたフリーコム代表の有田さんと。ありがとうございました!