こんにちは。NPO法人アトピーを良くしたい(アト良く)の中村亜希子です。

当法人ではアトピーを良くするために、治療法などの「やり方」だけではなく心の「あり方」を大切にしています。極端に言ってしまえば、アトピーが良くなるならばやり方はどんなものでもいいじゃないか、というのが私たちの考え方です。

ステロイド、脱ステロイド、漢方薬、サプリメント、、色々な治療法が溢れている中で、私は温泉療法によってアトピーが良くなりました。なので、どんなものでもいいじゃないと言いつつどうしても温泉贔屓しがちです。アトピーの良くなり方は100人100様ですし、たまたま温泉が私の身体に合っていたという話で、みなさんに温泉療法をおすすめしているわけではありませんので、ご了承くださいませ。

 

温泉の種類

さて、温泉療法いわゆる「湯治」は、アトピー治療の中では割とポピュラーです。アトピーサロンでも「○○温泉に行ってきました!」なんて話はよく出てきます。言わずもがな日本は温泉大国。温泉地は全国に3千ヶ所以上あります。温泉が湧き出ている場所「源泉」はなんと2万7千ヶ所以上。ひえー。

温泉の泉質は温泉水に含まれる成分と含有量によって、10つくらいのグループに分けられています。酸性のもの、アルカリ性のもの、白かったり、茶色かったり、しょっぱかったり、その特徴は様々。

アトピーに効くといわれている温泉はいくつもあるのですが、私は全国の温泉を巡ってきて一番効いたと思ったのが群馬県の草津温泉でした。草津温泉は酸性度の高い硫黄泉です。酸性度の高い硫黄泉は日本で他に

・秋田県仙北市の玉川温泉

・宮城県大崎市の鳴子温泉

・長野県木曽町の釜沼温泉

の3つがあります。

なぜこの中で草津温泉にたどり着いたかというと、一番有名で、家(関東)から近かったから。

 

草津温泉の効果

草津温泉に出会ったのは高校生の頃でした。最初に入ったときの衝撃は今でも忘れられません。とにかく痛い。傷口に塩…いや、お酢をかけられているような、ものすごい痛みなのです。かき傷がたくさんあるときの入浴は苦行以外のなにものでもありませんでした。しかし、お風呂から上がるとその痛みはじきにスッと消えていくのです。それと同時にかゆみも消えていきました。本当に驚きました。

そしてとても早いスピードで傷口がかさぶたになっていきます。あっという間です。かゆくならないから傷が増えず、すぐにかさぶたになるから傷が治る。結果、アトピーが良くなる。私は「奇跡の水」だと思っていて(笑)それから10年以上はアトピーが悪化したとき、しそうなときは草津温泉に行くようにしています。

 

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湯治宿選び

草津温泉と言えば時間湯が有名ですね。湯もみをして、湯長さんの号令に従って入浴する、伝統的な入浴法です。私は1度だけ体験入浴をしたことがありますが、時間湯で湯治はできませんでした。その理由のひとつが男女混合であること、そして湯長さんも男性である場合が多いことです。ただでさえアトピーがひどく身体を見られたくないナイーブな状態で、知らない異性に身体を見られる、というのは女性としてかなりの抵抗があったのです。

湯治において一番大切なのは宿選びだと思います。色々な温泉宿に宿泊してきた私なりの選び方のポイントをご紹介します。

①源泉チェックは必須

草津温泉には源泉が6つあります。湯畑、煮川、白旗、地蔵、西の河原、そして万代鉱。アトピーには地蔵や白旗の源泉がいいと聞いたことがありますが、身体への効果はそんなに大きな差が無いと思います。ただ一つを除いては!万代鉱(ばんだいこう)源泉だけは避けた方が無難です。同じ草津温泉なのになぜこんなに違うのかと驚くほど、他の5つの源泉とは質が違います。湯治にいったのにかぶれてしまったなんて方もいるらしく、草津の方に聞いても「アトピーには向いていない」とのこと。宿のHPには源泉が載ってない場合がありますので、問い合わせてみるのがいいですね。ちなみに私も苦手です。ピリピリが止まりません。

②観光客が少ない、かつ湯治客だけではない

これはどういうことかと申しますと、まず観光客が多いと気持ちが落ち込みます。私はアトピー治療にきているのに、みんなは楽しそう…(泣)という具合に。短期間ならまだ良いかもしれませんが、長期の湯治の場合は特におすすめできません。お風呂場にも常に誰かがいるので、症状が出ていると人目が気になり気が休まりません。でも、湯治客だけの宿も独特の雰囲気があります。共同スペースやキッチンがあるのですが、私は湯治中あまり人と関わりたくないので向いていません。

③貸し切り風呂があるところ

先ほども書きましたが、症状が出ているとどうしても人目が気になります。人目を気にせず、入ったり出たりを繰り返すもよし、座って休憩するもよし、マイペースに入浴できるのが貸し切り風呂のいいところ。

④宿の人がいい人

これは実際に宿泊してみないと分からないですよね。アトピー治療で有名な草津温泉だけど、みんながみんなアトピーに理解あるわけではない。長らく泊まる(というか住む)わけですから、家主と合わないとストレスになります。ほどよく気にかけてくれて、ほどよくほっておいてくれる、良い距離感で接してくれる方がいるといいですね。

 

湯畑から近くて、Wi-Fiがあって、、など、条件を上げればキリが無いのですが、とりあえずこの4つを押さえておけば快適な湯治生活が送れるのではないかと思っています。泉質は本当に大切なので、最低①だけは選ぶ条件に入れるべし!

 

入浴法

湯治は体力勝負です。お風呂に入れば入るほどいい、と思われるかもしれませんが、1日に4回も5回も入浴していたら3日くらいですぐ疲れてしまいます。なので私は1日3回と決めて入るようにしています。なぜなら草津温泉は基本的にどこもお湯の温度が43〜46度とすごく熱いから!

そして1回の入浴で出たり入ったりを繰り返します。熱くて入っていられないというのもありますが、1度出てからまた入ると温泉の成分がさらに肌に染み渡るような気がするからです。1分×3回くらい繰り返し、お風呂から出ます。これは完全に私好みの入浴法なので、3分しっかり浸かる方が合う人もいるでしょう。

湯治の期間は少なくとも1週間、できれば1ヶ月はほしいところ。症状によりますが、重度の方は半年〜1年近く湯治されている方もいらっしゃいます。

私が先月上旬に1週間行ってきたときの皮膚の様子です。

足1

足2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐじゅぐじゅアトピーが出ていたところはご覧の通り、赤みが引いて傷もすべてかさぶたに。たった1週間でこの変化、すごいですよね。もちろん薬は使っていないですよ。1ヶ月いればもっと良くなります。

そして、草津温泉から帰ってきてからも悪化せず、今はさらに改善しています。ここが私が草津温泉がすごいと思っているところ!帰ってきてからも良くなり続けるのです。なんだかだんだん胡散臭くなってきましたね〜笑

 

私にとっての草津温泉

胡散臭くなってしまうほど草津温泉をこよなく愛している私。これは身体に合う!と思ったときから「アトピーが悪化したら草津温泉に行けばいい」と、今でも心の拠り所になっています。これって実はとても大切なことで、草津温泉に限らず、駆け込み寺があるとアトピー悪化がそれほど怖いことではなくなります。それは信頼できるお医者さんであったり、ステロイドであったり、なんでもいいのです。

プラシーボ効果はみなさんご存知だと思います。何の効果もない偽薬を薬だと偽って投与された患者さんの病状が、不思議と良好に向かう治療効果のこと。患者さんが「信じた」ことにより症状が改善されるわけです。

そこまではいかなくとも、私の「草津温泉は絶対良くなる」という信じる気持ち、そしてこの良くなり方はもはや若干のプラシーボ効果もあるのでは…!?と思うほどです。もちろん実際に効果があるのですが、それを加速させている気がします。

 

すべてのアトピーの方に草津温泉をすすめるわけではありませんが、湯治に興味がある、草津温泉に行ってみたいという方の参考になればと思います。草津に限らず温泉の泉質には合う合わないがありますので、お気をつけ下さいね!みなさんのアトピーが良くなりますように。

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