こんばんは、NPO法人アトピーを良くしたい理事の中村亜希子です。

 

私は栄養士免許を持っているのですが、個人ブログで「アトピーに良い食事はなんですか?」というご質問をいただくことがあります。残念ながら世の中にこれを食べるとアトピーが良くなる!という食品はありません。

 

ただ、食品の組み合わせによって効率の良い栄養の摂り方はあります。今日は良質なたんぱく質の摂取方法についてお話いたします。  たんぱく質とは、皮膚や粘膜を作るために大切な栄養素です。「たんぱく質」と聞くとお肉やお魚を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。もちろん肉や魚も良質なたんぱく質ですが、今回クローズアップするのは「お米のたんぱく質」です。

 

お米=炭水化物のイメージが強いかもしれませんが、意外とたんぱく質が含まれています。

 

まずはじめに、たんぱく質はアミノ酸という有機化合物で出来ています。人間の身体に必要なアミノ酸は全部で20種類あります。そのうち9種類は体内で作ることが出来ないので、食事から摂らなくてはいけません。この、食事から摂らなくてはいけないアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。必須アミノ酸が食品にどれくらい含まれているかを数値で表して評価する方法があり、これを「アミノ酸スコア」と呼びます。

 

スコアは100点満点で、点数が高い食品ほど良質なたんぱく質だとされています。よく卵が「完全食品」だと言われるのはこのアミノ酸スコアが100だから。その他にも牛・豚・鶏・牛乳・鯵・鰯・鮭などもアミノ酸スコアが100です。   「なんだ、やっぱりお肉とお魚食べれば良いんじゃない」と思うかもしれません。

 

実は、お米のアミノ酸スコアも凄いのですよ。お米のアミノ酸スコアは、65。今、「なんだ、低いじゃないか」と思われたかと思います。米には必須アミノ酸の中で唯一「リジン」というアミノ酸が足りていません。それ以外の8種類は100を超えています。アミノ酸スコアは9種類中のどれかが100に満たなければその最低値がスコアの数字となります。

 

「リジンだけ65、だから全体のスコアも65」になるのです。

 

欠けているのなら補えばいい。リジンを多く含む食品は…大豆です。そう「ご飯にお味噌汁」この組み合わせでアミノ酸スコアは100になるのです!お味噌汁にお豆腐を入れれば尚良し。納豆を添えれば完璧です。完全食品だけ摂るのではなく、足りないものは補い合って摂取すれば良い。

 

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大豆のアミノ酸スコアは86なのですが、こちらもお米と出会う事で100になります。   和食は凄い。本当によく出来ているのです。動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の摂取量はだいたい半々のバランスが良いと言われています。植物性たんぱく質はお米のようにアミノ酸スコア100に満たないものが多いですが、組み合わせ次第で100になります。肉や魚だけが良質なたんぱく質ではないのです。

 

日本人のお米の摂取量はここ何十年かでぐんと減っています。その代わりにおかずを食べる量が増えました。貧しかった頃はお米でお腹いっぱいにしていたけど、豊かになった今はおかずがどんどん豪華になる一方です。

 

特に女性の方、1日3食ご飯をもりもり食べていますか?

 

お米は太りそうだから、たんぱく質って大事だから、美容に良さそうだから、肉や魚を中心に食事していないでしょうか。個人差はあると思いますが、現代人はたんぱく質を摂りすぎている傾向にあると思います。たんぱく質を過剰摂取すると肝臓や腎臓に大きな負担を与えることになります。そればかりでなく、身体に吸収されずに残ったたんぱく質は身体で「異物」と判断され、アレルギー反応を起こす場合もあります。

 

現代の食生活でのたんぱく質過多がアレルギーやアトピーを増やしていると唱えている方もいます。私もその説は一理あると思っています。

 

「お肌のためにたんぱく質を摂らなくちゃ!」とたくさんお肉やお魚を食べるのではなく、「質の良いたんぱく質を適量食べること」を意識すれば普段のお食事内容が少し変わるかもしれません。たんぱく質は「量より質」がとても大切です。普段何気なく食べている食品のアミノ酸スコアを計算してみるのも楽しいですよ!インターネットで調べると出てきますので、興味のある方は是非やってみてください。

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