なつみ
- アトピー発症時期
- 2〜3歳
- 一番悪かった時の状況
- 中学2年生の脱ステロイド時。足裏、手の平を除く全身から浸出液が出て、痒みで眠れず3ヶ月引きこもり。
- 現在の状況
- 秋〜春にかけてはアトピーと分からないくらいまで落ち着くが、梅雨〜夏にかけて首、顔、肘裏が悪化し仕事に行くことが困難。浸出液も出る。
いつ頃から発症し、アトピーはどんな状況だったのでしょうか?
発症からずっとステロイドを使用
2〜3歳で発症し、皮膚科で処方されていたステロイド軟膏を塗っていました。幼少期は関節に出る程度で、ステロイドを塗れば落ち着く状況でしたが、小学校の林間学校等の写真を見ると、やはり顔は赤いです。塩素で痒くなるため、プールはいつも見学でした。
魔の中学生活
中学に入り、ステロイドが効かなくなったのをきっかけに脱ステロイドを決意しました。当時中学2年生。思春期真っ盛りの中で、真っ赤で傷だらけの肌を晒すことはとてもストレスでした。
痒みで眠れないので、学校にも行けず、外にも出たくなく、何度も死にたいと思っていました。母と毎晩のように泣き、何度も母に「出来ることなら変わってあげたい」と言われたことを覚えています。中学3年生の修学旅行のとき、肌は酷かったけれどどうしても行きたくて、他の子たちが泊まるホテルの近くのホテルに母と泊まりました。
とてもじゃないけれど、他の子たちと一緒に眠れる状況ではなかったのです。私のわがままを受け入れてくれた学校、そして一緒に付いて来てくれた母のおかげで中学生最後の楽しい思い出を作ることができました。とても感謝しています。
高校・大学生活
高校へ入学して、運動をやってみたい気持ちはあったけれど、帰宅部を選びました。今振返るとアトピーからくる汗への恐怖心があったのだと思います。体育祭へは長袖で参加したこともあります。暑くて蒸れて肌へは良くなかったと思いますが、それ以上に見られたくないという気持ちが勝っていました。思春期真っ盛りですから…
大学在学中にも何度か浸出液が出るくらい悪化しました。授業に出られないときもありました。診断書がないと休みを認めてもらえないこともあり、危うく単位が取れないかもとヒヤヒヤしたことも。
勉強したいのに授業に出られない焦りや悔しさを感じていました。そしてアトピーの人は病院へ行っても簡単には治らない人がいるという認識がない人が多く、教授もそのひとりでした。私は肌が元気なら、休むことなんてないのです、真面目ですから!笑
アメリカンドリーム
大学3〜4年にかけて、1年弱アメリカへ交換留学をしました。留学は高校の時から興味がありましたが、アトピーのこともあり、高校時代には踏み出せず(英語はクラスからビリの方だったし笑)にいました。しかしこのまま終わっては人生後悔すると思い、大学在学中についに挑戦することに!もちろん、出発前アトピーに対する不安は拭いきれませんでした。
ところがどっこい!行ってみたら、お肌ツルツルです。夜遊びしても、お酒をいっぱいのんでも、平気なのです。これこそが私にとってのアメリカンドリームだと思いました。
本当に完治したのかと思いましたが、帰国して就活を終えたあたりから、また悩まされ始めました。
社会人生活
まだ社会に出て3年目ですが、毎年梅雨〜夏にかけて悪化し、人に会える状態ではありません。営業職ということもあり、外回りが多く暑さがとてもきついです。また、人と会うことは避けられないので、メイクができない、首が出せないとなると、ストレスを強く感じ、なるべく人に見られたくないという気持ちから、下を向いてしまったり、暗くなりがちです。
夏にはどうしても仕事へ行くことが厳しくなってしまい、休んでしまうこともあります。仕事とアトピーの兼ね合いについては、今後も大きなテーマだと思っています。
アトピーの状態が良くなったきっかけは何だったのでしょうか
モチベーションとなったプロジェクト
昨年の夏、初めてアトピーサロンに参加しました。そこで代表の横井さんに出会い、アトピーの人の夢を叶える「Dream Wish Project」に参加することになりました。アトピーを良くして、ドレスアップして、プロのカメラマンに写真を撮ってもらうという夢を叶えるため、横井さんのサポートを受けながら半年間改善に向けて頑張りました。
そのときは「普段着られない服を着たい、肌を気にせずオシャレしたい」というモチベーションがあり、そして「決まったからには、やってやろう!」と意気込んでいました。そしてその目標に向かって一時はかなりいい状態になりました。
心と身体は繋がっていると実感
正直、私はまだこれがきっかけで良くなった、と思えるものには出会えていません。そして、ここ数年夏には仕事に行けないくらい悪化しています。浸出液も出るくらいです。しかし、毎年徐々に、精神的には強く、前向きになっていると実感しています。
アトピーと闘う中で気付いたことがあります。暗い気持ちで下を向いていてもプラスに作用することなんてなにもない…だったら、少しでも前向きに楽しいことを考えたい、そう思います。
状態が良いときには、苦手な夏に向けて体質改善を心がけ、半身浴、ジム通い、ヨガ等、体に良いと思うことにいろいろチャレンジしています。そして食事には普段からある程度気をつけています。改善のきっかけを見つけられたらどんなに安心できるのだろうか、いつもそう思っています。
ちょっと悪化してもコントロールできる、自分にとっての安心要素に出会える日を願ってこれからも模索し続けたいと思います。一つだけ、自信を持って言えることは、心と体は繋がっているということ。ストレスが溜まっている時、体は素直ですぐに肌へSOSが出て来ます。そんな時には、無理をせずに休息をとることも大切だと思います。
なつみさんにとって、「アトピーが良くなるために大切だと思うこと」は何でしょうか?
気持ちが一番大切
前向きな心と新しいことに挑戦する気持ち。
やはり、心の持ちようがとても大切だと思います。治したい、少しでも良くしたいという気持ちがあるかないかは、すごく大きな違いだと思います。状態が酷いときにポジティブになれ、というのはとても大変ですが、ネガティブに考えるよりも前向きな方が改善するスピードは断然早いと思います。
また、今までやってきた治療法でなかなか効果がないなと感じたとき、新たな治療法に挑戦してみることも大切だと思います。悪化が怖くて、なかなか新しいことに取り組むというのは勇気がいると思いますが、同じところに留まっているよりも一歩でも前に進んで、自分に合う治療法を見つけられればと思います。私も今、いろいろなことに積極的に挑戦している最中です。
家族や友人のサポート
自分のアトピー歴を振り返り、まわりの人に恵まれていたと改めて感じました。アトピーだということをからかわれたことは無いし、いじめにあった経験もありません。学生時代の友人は肌に症状が出ていても普通に接してくれて、出られない授業のノートを見せてくれたり、脱ステロイドで3ヶ月中学校に行けなかったときは同級生が週に一度ノートを自宅まで届けてくれました。今でも何でも話せる親友です。
そんな友人や家族に支えられて今の私がいると思います。
2015年9月5日