みなさん、こんにちは、若月麻里子です。前回は、「なぜ私がアトピーアロンに参加するのか?」についてご紹介していきました。今回は、その続きと、私がプロボノとして団体運営のサポートをしている理由についてご紹介します。

 

アトピーを心理的側面から考える

 

アトピーというと、薬や保湿剤、食べ物、環境、衣服、生活習慣など、どうしたらアトピーが良くなるのか、どうしたら悪化せずにすむのか、といった方法論にどうしても目が向きます。でも、それは今のこの辛い状況から一刻も早く脱したいからこその切なる願いであり、至極当然のことと言えるでしょう。 ただ、私はアトピーの症状の変化と心理面には密接な関連性があるとずっと感じていていました。アトピーが良くなる方法論とともに、「心を健康に保つこと」「アトピーと向き合う自分自身の心のあり方」はアトピーを小康状態に保つこと、また悪化したとしても回復させる力を養うのに重要な役割を果たすのではないかと考えています。

 

アトピーサロンに参加すると時々出てくる話なのですが、海外旅行や海外留学をしている時はアトピーの症状が安定すると言います。実は私も過去に2回海外での長期滞在をしていますが、それなりに過酷な状況下に置かれていたにも関わらず、アトピーの症状は比較的安定していました。(その代わり、良くお腹を壊していましたが。私は心で感じるよりも先に、体に反応が出てくるタイプのようです。)厳しい状況に直面しても、納得して自分のやりたかったことにチャレンジしている、という能動的な気持ちが症状の安定にプラスに働いたのかもしれません。

 

しかし、前回アトピーが悪化して会社を辞めざるを得なかったとき、私の心理状態もかなり悪いものでした。自分でも気が付かないうちに体が疲弊していたこともありますが、顔や首、肩、手の甲か真っ赤になり汁が出始め、脱ステ時と同じ兆候が表れたときに恐怖心が一気に煽られ、そこから坂道を転がり始めるように短期間で症状も悪くなり、精神的にもかなり堕ちました。あの時の自分は、「このままアトピーが完治するかも」と期待していたアトピーが全然治ってないという事実に直面して、頑張ってきたのに裏切られたような気持ちになり、自分の置かれた状況に戸惑い、恨めしく腹立たしく思っていたように思います。そのような心理状態も働いていたせいか、心身共に回復のスピードも遅かったように思うのです。

 

これもまたアトピーサロンに参加した時の話ですが、全身から汁が出ているような状態でも仕事を辞めずに続けたという人に時々遭遇します。仕事の内容や立場の違いも多少はあるでしょうが、そんな状態でも仕事を続けられたのは何がポイントだったのでしょうか。明確な答えにはまだ行きついていませんが、自分の例も合わせて考えると、なんとなく「アトピーに対する受容と向き合う心構え」みたいなものが関係しているように思います。

 

まりこさん

 

 

 

 

 

 

 

現在は幸い小康状態を保っていますが、また「人生第3の危機」がやってくるかもしれません。完治させたくはありますが、この疾患と一生付き合う覚悟を決めるしかないでしょう。でも、またアトピーが悪化し自分のQOLが損なわれることがあったとしても、ここに関わっているみなさんに相談し、共感し、お知恵を拝借することで、心身ともに落ち続けずに持ち直す術を準備しておくことはできそうです。前回のように必要以上に不安を煽ることなく、対処できるのではないかとほのかな期待を抱いています。そういった意味では、この団体は私にとって危機に陥ったときにすぐに駆け込めるような「心のシェルター」のような存在であるのかもしれません。危機に直面した時に相談できる場所やバックアップしてくれる仲間がいるという安心感は、間違いなく心の健康と安定につながっていると感じます。

 

48アトサロ集合

 

 

 

 

 

 

 

みなさんの場合はいかがでしょうか? なぜ「アトピーを良くしたい」に参加をしよう、したいと思うのでしょうか?

 

なぜ「プロボノ」として活動するのか?

 

「プロボノ」というのは、「各分野の専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動」を指します。 私は広報という仕事をしてきたことと、留学経験があり多少英語が出来るという点で、団体の活動の中でこれらに関連性のある部分をお手伝いしています。

 

とは言え、私はしばらくの間は参加者としての活動のみで、プロボノとして活動しようと思っていたわけではありませんでした。アトピーについて考えない日はないのですが、心のどこかで「アトピーのことを忘れていたい」という気持ちもあり、団体の活動に自分から積極的に関わることを躊躇していました。しかし、アトピーサロンに参加するうちに、主体的に関わったほうが自分自身とアトピーとの向き合い方が変わるように思い、今までは自分事でしかなかったアトピーが、より社会的な問題として捉えることが出来るような気がしてきました。個々のアトピーの症状自体を良くすることはもちろんなのですが、これまでにアトピーが原因で社会的な壁にぶつかった経験もしてきたので、その状況を少しでも変えられないものかと思うようになりました。状況を変えるにはアトピー当事者だけではなく、やはり非有症者も含めてもっと人を巻き込んで社会に訴えていかないと変わらないな、と思ったのです。更に、自分のスキルや得意分野でそういった活動に貢献できるのならこれは一石二鳥ではないかと。

 

それに、会社だと「数字だ、結果だ」と色々言われますが、この団体では何かひとつ仕事をするとダイレクトに感謝され、何か新しいものにチャレンジしているという実感もあり、それが素直に楽しいと思ったのかもしれません。もし、みなさんの中にも、仕事のスキルや経験、得意な分野で何か団体運営の役に立てそうだ、具体的なアイデアがある、という方がいらっしゃったら、是非手を挙げてみていただきたいと思います。

 

プロボノ

 

 

 

 

 

 

 

また、「プロボノ」とまではいかなくても団体や参加メンバーの役に立てる方法はあります。究極を言えば、アトピーサロンに定期的に参加して自分の最近の試みや直面している問題について話すこと、アトピーサロンへの参加が難しくてもFacebookやTwitterなどのSNSを通して関連情報を投稿したり、他のメンバーと意見交換することだけでも、団体や他のメンバーに対して気づきを与えることにもなり、十分な貢献になりうると思います。

 

最後に、なぜ私がアトピーサロンやプロボノメンバーとして参加しているのか問われれば、まずは「自分のため」です。そして、自分のためにやっていたことが、気が付いたら自然と他の人の役にも立っていた、というのが理想形です。

 

是非、アトピーサロンやイベント等でお会いした際には、お気軽にお声掛けください。今後も多くの皆さんとお会いしてお話しできることを楽しみにしています!

 

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