こんばんは!NPO法人アトピーを良くしたい理事&フリーランス栄養士の中村亜希子です。
玄米といえば「栄養が豊富!」というイメージがあると思いますが、具体的に身体にどんな良いことがあるのかご存知でしょうか。今日はそんな玄米についてのおはなしです。玄米とは、稲の果実である籾(もみ)から籾殻(もみがら)を除去した状態で、また精白されていない状態のお米のこと。精白した際に出るのが糠(ぬか)で、ぬか漬けなどに使われます。
昔ある方にこんなことを教わりました。
ぬかは漢字で書くと「糠」米に健康の康
カスは漢字で書くと「粕」逆から読むと白米
つまりぬか(糠)を取り除いた白米はカス(粕)になってしまうということ
漢字は面白いですね。本当にその通りだと思うほど、玄米には沢山の栄養素が詰まっています。その代表的な栄養素はビタミンB群。同量の白米と比較すると、おおよそ
ビタミンB1 5倍
ビタミンB2 2倍
ビタミンB6 5倍
ナイアシン 4倍
パントテン酸 2倍
葉酸 2倍
これくらいの差があります。そしてビタミンB群が身体にもたらす作用はそれぞれ違います。
ビタミンB1は糖質がエネルギーに変わるのをサポートする働き。ビタミンB2は3大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)をエネルギーに変えるサポートをし、皮膚や粘膜の成長を促進する「発育のビタミン」とも言われる。ビタミンB6はたんぱく質の分解や再合成に欠かせないビタミンで、貧血や肌荒れを予防する働きがあり。ナイアシンはエネルギー代謝に不可欠な物質。パントテン酸はエネルギー代謝をサポートし、ストレスへの抵抗力をつける働きなどに関与している。葉酸は「造血のビタミン」と呼ばれ、赤血球の生成や細胞の新生に必須。
主食を玄米から白米にすると、これらの作用が玄米を食べたときと比べて半分以上失われることになります。その失われた分は主菜・副菜で補うか、ビタミン剤を飲むしかありません。こう考えると、ものすごくもったいないですよね。
葉酸は例外ですが、ビタミンB群はだいたい肉、魚、レバー、卵、牛乳などのたんぱく質源に多く含まれています。ビタミンCがお肌に良いということは世間に広く浸透しているけれど、ビタミンBはどんな作用があって何の食品に多く含まれているか知らない方も多いのではないでしょうか。普通の食生活をしていれば欠乏症になることはないと言われていても、”普通”の基準は人それぞれ違うし、食物アレルギー等で特定のたんぱく質が摂れない人もいます。玄米さえ食べれば1日のビタミンB群が基準値に達するというわけではありませんが、せっかくだったら効率良く栄養素を摂った方がお得だと思うのです。
さて、そんな玄米の食べ方についてひとつ注意点があります。普通白米は約20分~2時間の浸水時間で炊きます。玄米は糠で覆われているため、それ以上の時間、約2時間~8時間の浸水時間が必要だと言われています。
しかし!!
実は玄米には身体に良くない発芽抑制因子(アブシジン酸)という物質が含まれています。これはお米が自分自身を虫などの外敵から身を守るための毒。この毒を取り除くには夏場12時間、冬場24時間の浸水時間が必要なのです。私は浸水した後さらに洗って炊いています。この労力を怠ると、玄米を毒ごと食べることになってしまいますよ!
玄米には賛否両論あり、残留農薬が多いから身体に悪いとか、消化が悪いからアトピーに良くない、という話もあります。確かに白米に比べて食物繊維は約6倍あり、消化は良くないです。だからこそしっかりじっくり噛むのです!噛めば噛むほど味も美味しい身体にも美味しい、それが玄米。食物繊維には体内のいらないものを外に出してくれるデトックス効果があります。私は20歳の頃から玄米を食べ始めましたが、最初の頃はお通じが良すぎてビックリしたものです。おかげで今も便秘知らず。しかしこればっかりは体質があるので、全員にとって良いものだとは限りません。腸がデリケートな方には、良くない場合もあります。そして決して玄米を食べたからアトピーが良くなる、というわけではないのです。
ここで私が言いたいのは、玄米はお肌にとって大切なビタミンを効率良く摂れます!(体質に合えば)ということ
おかずを一品増やしたり料理に使う食材を増やすよりも、毎日毎食食べる主食を玄米に変えた方が確実に楽です。試してみたいけれど、味や食感が苦手…という方は比較的食べやすい「発芽玄米」や「分づき米」から始めるか、玄米と白米をブレンドするのも良いかもしれません。玄米がどうしても体質に合わないのなら白米に雑穀を混ぜる「雑穀米」があります。あわ•ひえ•きび•ハトムギ•大麦•黒米•赤米など、種類によって含まれる栄養も様々ですが、玄米と同じくビタミンB群も多く食物繊維が豊富です。最初は目立たないあわ•ひえあたりから始めて慣らしていくのも良いですね。もしもまだ食べた事がない方がいたら、ぜひお試しください♪