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なみひこさん

アトピー発症時期
中学生の頃に発症
一番悪かった時の状況
頭からつま先まで全身にアトピーの症状が出て、手のひらもシワに沿って裂ける状態
現在の状況
アトピーの症状はほとんどなし

いつ頃から発症し、アトピーはどんな状況だったのでしょうか?

中学生の頃に発症

アトピーを発症したのは中学生の頃です。中学生になって額がカサカサしていることがあり、その頃にステロイド剤を塗っていた記憶があります。その後、治療のために高校生の頃から皮膚科の病院に通うようになりましたが、とても軽い症状でした。

頭皮からつま先まで全身に症状

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アトピーの症状がひどくなったのは就職してからで、最もひどかったのは31~33歳頃です。
頭皮からつま先まで全身に症状が出て、白かった肌が真っ赤になりました。ガサガサになった頭皮から髪の毛が抜け、手のひらはシワに沿って皮膚が裂け、手を握ると痛いのでペンを持つことすら苦労しました。髪の毛を洗うときも、自分の手に髪の毛が刺さって痛かったです。体だけでなく指先や手にも薬を塗っていたので、何を触っても薬が付着してベタベタになりました。全身の皮膚はガサガサ、ジュクジュクで、「何かがおかしい」としか思えませんでした。眠れない日々が続いたので、睡眠導入剤を飲まなければいけないこともありました。

原因は、食生活、考え方、人間関係、全て

原因は、食生活、考え方、人間関係、全てだったと思います。
最も症状がひどかった頃に勤務していた会社では、入社当時は何事も率先して取り組んでいましたが、社長の考え方に違和感を持つにつれて、アトピーの症状は悪化していきました。

そのようなことは多かれ少なかれ誰にでもどこの会社にでもあることだと思い、仕事を続けていました。大半のことを任されていたので「自分がきちんとしなければ」という思いが常にありました。

それでも、ここまで体調を崩してまで働くかどうか、それは人生について考える機会となりました。

根本的に何かを変えなければいけない

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就職してから10年以上もアトピーに悩まされて皮膚科の病院に通い、ステロイド剤と保湿剤を常に持ち歩いており、「この先ずっと同じ状況が続くのか…」と思いました。そして、「大人になれば治る」と言われて10数年が経過し、30歳を過ぎてから更に悪化したので、根本的に何かを変えなければいけないと真剣に考えるようになりました。

人生で初めて味わう感覚

今はおかげさまでで、ほとんど症状は出ません。これまではアトピーの症状が一度改善しても「また悪くなるかもしれない…」と思っていましたが、もう大丈夫です。これはアトピーの症状が出て以来、人生で初めて味わう感覚です。

アトピーの状態が良くなったきっかけは何だったのでしょうか

生活習慣を見直して規則正しい生活

アトピーの症状が最もひどくて「根本的に何かを変えよう」と思った頃、会社を退くことになりました。自分をリセットする良い機会だと思い、まずは、生活習慣を見直して規則正しい生活に切り替えました。

いつといつの状態を比べて「良くない」のか基準を持つ

自分の血液検査の数値を記録し、鏡でアトピーの患部を見て写真を撮りました。アトピーの症状を自分の感覚で「良くならない」と思っている人は、いつといつの状態を比べて「良くない」のか客観的な基準を持つ必要があると思います。

その基準を持たないと、疲れていたり、嫌なことがあったときなどに「まだ改善していない・悪化している」と勝手に主観で判断してしまいます。私はとにかく思い込みをなくし、セミナーや勉強会に参加して情報交換したり、お医者さんや詳しい方々に質問しました。

自分の健康を最優先

アトピーについての本だけでなく、心理学、栄養学など、体や健康についての本を読みあさり、自分の健康を最優先にしてしばらく過ごしました。例えば、読んだ本の1冊には腸について書いてあり、「腸には、食べる時間、消化する時間、排泄する時間がある」というので、それに合わせた生活を送ってみました。

これまで「体調が悪いときは栄養のあるものを食べなさい」と言われてきましたが、野生動物がケガをしたときには、薬も塗らないし食事もしないようなので、私も何も食べずに半日くらい断食のような感じで過ごしてみました。

2ヶ月くらいで劇的にアトピーが改善

その他には、意識して外出をしました。全身も顔面もとてもひどい状態で体を1ミリも動かしたくなかったのですが、「見られても関係ない」と気持ちを強く持ち、ゆっくり歩きました。太陽が昇るのに合わせて外出することは大冒険をしているようでとても楽しかったです。
特別な治療をしたわけではないのに、その後2ヶ月足らずで劇的に症状は改善しました。

なみひこさんにとって、「アトピーが良くなるために大切だと思うこと」は何でしょうか?

自発的に動くことが大切

アトピーの症状を持つ本人が、自発的に動くことが大切だと思います。お医者さんは神様ではなく、パートナーです。病気はお医者さんが治すものではなく、自分で治すもの。お医者さんに言われたからやっているのか、本人が「治る」と思ってやっているのかによっても結果は変わります。私もアトピーの症状がひどかった頃は、「お医者さんの指示通りにやってるし、食生活にも気をつけている。全部やっているのに…」と思っていました。

ようやく今、自分の人生を生き始めている

今回の体験を通じて気が付いたことですが、私はこれまでアトピーにとらわれた人生だったかもしれません。アトピーだから他人の目が気になるとか、自信を持てないとか、混同してしまう人が多いのではないでしょうか。何か挑戦したいことがあるのに、「アトピーだから」と言い訳にしているとしたら、もったいないです。私はアトピーを敵のように思っていたこともありましたが、今は「体が喜んでいるかどうか」を測る「ものさし」だと思っています。
アトピーという病気を治すのではなく、自分の生き方を治す機会だと捉えました。ようやく今、自分の人生を生き始めている気がしています。

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2014年1月17日