ゆみさん

ゆみさん

アトピー発症時期
物心ついたときにはすでに症状が出て、病院に通っていた
一番悪かった時の状況
全身に症状が出てかゆみが止まらず、掻きむしっていた
現在の状況
一時的に症状が悪化することはあるが、通常は軽度

いつ頃から発症し、アトピーはどんな状況だったのでしょうか?

皮膚を掻くことがクセに

幼稚園くらいの頃、物心ついたときにはすでに症状が出て、皮膚科のお医者さんに通っていました。
最も症状がひどかったのは小学校の頃で、腕や脚だけではなく、お腹、背中など全身に湿疹が出て、かゆみが止まらずに掻きむしり、いつも手の爪には血が付いていました。昼夜問わず、皮膚がぼろぼろになるまで掻くので、布団も血だらけでした。疲れたときや眠いときには、特に症状がひどくなり、親にさすってもらわないとかゆくて眠れないほどでした。
皮膚を掻くことがクセになっていたのかもしれません。

知らない女の子のショックなひとこと

治療のため、皮膚科のお医者さんには通っていたのですが、診察まで待たされるのが嫌で、いつもかゆみや症状がひどくなってから皮膚科へ行っていたので、「ひどくなる前に来なさい」と言われていました。
ある日、皮膚科の待合室で診察を待っていたら、知らない女の子が私を見て「いやー、気持ち悪いー!」と言って去って行ったこともあります。今でも忘れられないくらい、ショックでした。
家庭では、親が「アトピーの症状が出るから」と食べ物や衣類に気をつけたわけではなく、普通の子と同じように接していました。

家庭内の環境が子どもながらにストレス

アトピーを悪化させた原因ははっきりとはわかりませんが、私が子どもの頃、両親の仲があまり良くなくて、家庭内の環境が良いとは言えませんでした。子どもながらにストレスを感じていたのかもしれません。
小さい頃は親との関係が深いですが、成長するとともに親との関係が変化し、受け止め方も変わりあまりストレスに感じなくなりました。

肌や化粧の話題に入りたくなかった思春期

中学から高校の頃には、徐々に症状が軽くなっていきました。その頃はちょうど思春期なので、女友だち同士で日焼けや脱毛のことなど肌や化粧の話題になることが多く、アトピーの症状が出ていた私はその輪に入りたくなかったです。
顔には症状が出なくても手には出ていて、アトピーでゴワゴワになった皮膚が見えると、分かる人には分かるので「アトピーだよね」と言われたのはとても嫌でした。

社員旅行では1人だけ部屋にあるシャワーを

就職後、アトピーで特に困ったのは社員旅行のときです。
かゆみや湿疹などの症状はあまり出ていませんでしたが、腕も脚も色素沈着して皮膚が茶色っぽくなっていました。みんなと一緒にお風呂に入るのが嫌だったので、1人だけ部屋にあるシャワーを使ったりしました。

精神的に「嫌だ」と思う感覚は今もあまり変わりません

現在の症状は乾燥肌で、季節の変わり目や調子が悪いときに顔と腕にかゆみが出るので、皮膚科のお医者さんに行って薬をもらっています。症状は軽くなりましたが、精神的に「嫌だ」と思う感覚は今もあまり変わりません。
親から「アトピーは大丈夫?」と言われるのも未だに気になってしまいます。

アトピーの状態が良くなったきっかけは何だったのでしょうか

とにかくトライ

私の場合、特別な治療をしたわけではありませんし、これと言って良くなるきっかけは思い浮かばないんです。年齢とともに自然に症状が軽くなった感じです。
アトピー治療や体験談など専門の本ではなく、雑誌などに載っている情報を見ては、敏感肌に良い入浴剤やクリームなどを試したり、「腸をきれいにするとアトピーに良い」と著名人が言っていたので、ヨーグルトを食べたりもしました。どれも長期間は続きませんでしたが、とにかくトライはしました。
それから、アトピーの治療のためではありませんが、最近ホットヨガを始めました。1回1時間くらい軽く体を動かして汗をかくと、体がスッキリする気がします。

ゆみさんにとって、「アトピーが良くなるために大切だと思うこと」は何でしょうか?

いい意味であきらめていたのかも

私にとってアトピーは、風邪をひいたときと同じように、自分で良くできるものではないと思っていたので、あまり考えないようにしていました。いい意味であきらめていたのかもしれません。
皮膚科のお医者さんとは、とても親しかったわけではありませんが、「ひどくなったらお医者さんに行けばいい」という精神的な支えにはなっていました。

アトピーシンポジウムやアトピーのイベントに参加

ただ、症状が軽くなってからも、「アトピーのことを言われるのは嫌だな」という思いは残っています。
同じアトピーの症状を持つ人と話をすれば、気持ちが少しは楽になるのかなと思い、アトピーシンポジウムやアトピーのイベントに参加しました。そこで出会った人たちは、アトピーなのにとても明るい人が多くて、良い刺激になりました。
これまで私はアトピーについては全く話しをしなかったのですが、人に話してもいいかなと思うようになりました。

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2014年10月17日