こんばんは。NPO法人アトピーを良くしたいのケンタロウです。

アトピーの子をもつ母は大変だ。父とは違う。なぜなら、直接自分が生んだからだ。僕の母も大変だったことを知っている。

幼稚園の頃。4、5歳の頃にも関わらず、鮮明に母に言った言葉を2つ覚えている。家に帰ると「ねー、どうして僕のお弁当は黒いの?」と母に聞いた。母は一生懸命だった。脱ステロイドを決心し、自然食品で何とか僕のアトピーを良くしようと思っていた。黒い理由は、自然食品を使い、たまごは控え、白米ではなく玄米だったため、幼稚園児の僕にはお弁当が黒く見えた。

もう一つ、聞いたことがある。夕方、公園の砂場で母と2人。「ねぇ、いつになったらこのボツボツ治るの?」。その質問に、「大人になったら治るからね…」と涙ぐみながら答えた母の顔を今でも鮮明に覚えている。でも、母がアトピーのことについて僕の前で泣いたことは、このときだけだった。きっと決めていたのだと思う、ケンタロウの前で弱音を吐くのはやめよう、泣くのはやめよう、辛いのは本人なのだからと…

もともと気丈な人だったのではない。一生懸命、気丈にふるまっていた。母が良く言っていた言葉がある。「ごめんね。できることなら私がかわりたい…神様お願い…」と。

責任を感じ続けていたのだと思う。お腹の中にいるときの、食べ物が悪かったんじゃないか。母乳が悪かったのかな。どうして。どうしてなの。こんなときに、父は仕事で忙しく、サポートしてくれる人はいない。子供の頃は分からなかったが、母は精神的にとても追いつめられていたと思う。今の僕にとっては、生んでくれとありがとう、育ててくれてありがとうという言葉しかない。

もう30年以上も前の話しだが、今も大してアトピーの世界は変わっていないのではないだろうか。必死すぎてママがダメになってしまうことがある。

アトピーは良くすることができる。ただ、子供がアトピーの場合は、ママが元気である必要があると思う。それは元気に振る舞うのではなく、自然に元気であること。そうするためにはどうすれば良いかをみんなで考えていきたいと思う。

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