こんにちは。初めまして、管理栄養士の朝倉優と申します。私は大学の管理栄養士の養成校で栄養学を中心に勉強をしていました。その経験を生かして健康情報を少しでも多くの人に伝えられれば、そしてそれによって皆さんの生活の質が少しでも高まれば嬉しいです。

最近、食物アレルギーの人が多くいるように感じます。私自身も食物アレルギーがあり、エビやカニ、タコ、体調が悪いときは小麦でも症状が出てきます。アレルギーが重い人は、アナフィラキシーショックを起こして呼吸困難や命の危険にまで発展するので注意が必要です。

今回は、日本で最も多いといわれる鶏卵アレルギーとアレルゲンについてにお話したいと思います。

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・鶏卵アレルギーの原因とは

鶏卵アレルギーの原因は、卵白に多く含まれる「オボアルブミン」「オボムコイド」というものです。このオボアルブミンは、栄養素でいうとたんぱく質です。たんぱく質は熱を加えると形を変える性質があり、アレルギーとして反応しにくくなります。例えば、流動性がある生卵を火にかけると固まると思います。これは、たんぱく質の形が変わって、液体から固体に変化するからです。ゆで卵や加熱された卵料理は食べられるけど、生卵や半熟卵は食べられない人がいるのは、たんぱく質の形が変化して、アレルギーとして起きにくくなるからなのです。

・アレルゲンてなあに

アレルゲンとはアレルギーになる原因の物質のことを意味します。アレルゲンのほとんどは「たんぱく質」です。例えば、スギ花粉症におけるアレルゲンはクリジェイワンなどの花粉に含まれるたんぱく質が反応していたり、炭水化物が主成分の小麦のアレルゲンも小麦特有のグルテンだったりします。私たちの筋肉や皮膚、爪、髪など体を強くしてくれる栄養素であるたんぱく質。体を作るためにたんぱく質は複雑な構造をしているため、私たちの体は異物と認識して、やっつけたり、体外に出したりと働くそうです。

鶏卵アレルギーでお話した通り、たんぱく質は熱によって形を変える性質があるので、しっかり加熱した食べ物なら食べられる方も多いかと思います。離乳食で加熱したものを必ず食べさせるのは、殺菌や消化を助ける他に、アレルギーを反応させにくくするためでもあるのです。

「たんぱく質を除去すればアレルギーにならないのか!」と思われるかも知れません。しかし本来、たんぱく質は私たちの身体に必要不可欠な栄養素の一つです。鶏卵アレルギーの人の中には、何を食べればいいのかわからないという人も多くいると思うので、次回はアレルギーの代替食品についてお話したいと思います!

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