こんにちは!管理栄養士の朝倉優です。前回の記事では、鶏卵アレルギーについてと食物アレルギーの原因はたんぱく質であることをお話しました。

今回は、アミノ酸スコアの観点から鶏卵や牛乳に代わる食品(代替食品)と乳幼児の時期に多い牛乳アレルギーについてご紹介したいと思います。食物アレルギーに多い鶏卵や牛乳は良質なたんぱく質を含みます。良質とは、人間が作れないたんぱく質の元となるアミノ酸を、バランス良く含んでいるからです。そのバランスのことをアミノ酸スコアといい、100に近いほど良いとされています。

 

・良質なたんぱくを多く含む鶏卵や牛乳の代替食品とは

鶏卵や牛乳はアミノ酸スコア100と優秀な食品ですが、他にもアミノ酸スコア100の食品は多くあります。鶏肉や豚肉、牛肉などの肉類とアジやイワシ、サケなどの魚類は食品単体でアミノ酸スコア100なのです。

一般的に大豆食品である豆腐は植物性たんぱく質が多く含まれている食品ということは知られていると思います。しかし、豆腐は単体だとアミノ酸スコア81と、100まで届きません。豆腐をアミノ酸スコア100にするには、食べ合わせが大切です。いろんな食品を食べれば、自然とアミノ酸スコアが100に近づいていきます。それぞれの食品がアミノ酸を補うことからです。例えば、白米・みそ汁・焼き魚・冷奴・漬物という食事をした場合は、それぞれのたんぱく質が補うことでアミノ酸スコアが100に近づき、良質なたんぱく質として筋肉や体を作りはじめます。

鶏卵や牛乳は必ず取らなければいけない食品ではありません。他の食品でも栄養を補えるので、栄養に対する不安が少しでもなくなればと思っています。

 

・牛乳アレルギーの原因とは

牛乳アレルギーの多くは、牛乳に含まれるたんぱく質で「カゼイン」が原因です。カゼインには耐熱性があります。カゼインはたんぱく質ですが、加熱をしても構造はほとんど変化せずにアレルギーの起こしやすさは変わらないので、注意が必要です。

また、発酵をしてもカゼインは分解されにくいため、ヨーグルトやチーズなどの加工食品も同様に注意が必要になります。

加工食品に利用される「乳化剤」「乳酸菌」「乳酸カルシウム」などは、牛乳とは関係ありません。一方、「全粉乳」「脱脂粉乳」「練乳」「乳酸菌飲料」「はっ酵乳」などの加工食品には牛乳が含まれるため、牛乳アレルギーの人は食べると症状が出てしまいます。

牛乳は、特定原材料として加工食品のアレルギー表示が義務づけられています。加工食品の裏に書かれている原材料名などに「乳」という文字の有無だけでは、食べられるかどうかを一概に判断できません。誤食なく、食べられる食品を増やすには、原材料名を見る習慣をつけて、食べられる食品と食べられない食品を正しく見分けることが重要です。

自分の体を守るために少しずつ知識をつけて食べられる食品が増えれば、いろんな食品を食べることができ、健康な体を作ることができますね。

コラム原稿2本目_朝倉

Pocket