前回のパンの記事に反響があったので、シリーズ第2弾です。ここでお話する牛乳とは、近所のスーパーにて200円足らずで購入できるごく一般的な牛乳のことです。そんな牛乳に関して近年様々な論議がされています。にも関わらず「牛乳は健康!」というイメージが定着し続けているのは学校給食の影響が大きい。そしてメディアとそのスポンサーである企業の癒着。牛乳を扱う大手企業は「牛乳は飲まなくても良い!」なんて世間に広く浸透したら倒産してしまいます。だからそのマイナスイメージが外に出るのをなるべく抑えている、という話を聞いたことがあります。
私は牛乳を飲んでお腹が緩くなる”乳糖不耐症”ではありませんが、牛乳はほぼ飲みません。
理由その1  牛が飲むものだから
そもそも、牛の赤ちゃんが数ヶ月で大きくなるために飲むのが牛乳です。それをなぜ成人した人間が飲むのか。身体にとって本当に必要なものなのか疑問です。
理由その2  その血液、大丈夫?
人間も牛も、母乳は血液です。白いけど血なのです。人が献血しようとするときは様々なチェック項目があり、病気を持っている人・薬を飲んでいる人・海外渡航記録などで献血できない場合がありますね。もし自分が輸血してもらうなら、綺麗な血を入れて欲しい。誰だってそう思うはず。
それでは牛の血液は?何万頭もいる牛を毎日毎日一頭一頭細かな健康チェックしてから搾乳する事が出来るでしょうか。
理由その3  ホルモン剤&抗生物質 投与
人間と同じように、牛は子どもが生まれた時に母乳が出ます。当たり前だけど普通なら仔牛一頭分の母乳だけしか出ません。そこからたくさんの牛乳を作るにはどうしたらいいか。そう、ホルモン剤を投与するのです。ホルモン剤でたくさん母乳が出るようになった牛の乳は、乳腺炎などの感染症になりやすくなります。その炎症を抑えるために抗生物質を日常的に投与するのです。
理由その4  母牛の大きなストレス
乳牛は母乳を出し続けるために妊娠・出産を繰り返します。人工授精によって妊娠させられ、何度も何度も、死ぬまで、母乳を出し続けるのです。歩くスペースも無い狭い小屋の中でひたすらエサを食べて搾乳される毎日。動物だってストレスを感じます。ご存知の通りストレスは様々は病気の一因になります。
ストレスフルの牛から出る母乳は果たして身体に良いのでしょうか。
理由その5  輸入に頼るエサ
本来牛のエサは牧草だけで良いのですが、乳牛はたくさん搾乳するためにトウモロコシや麦などの穀物もエサにしています。小麦粉の自給率の低さと、輸入小麦の危険性については前回の記事でお伝えしました。家畜用のトウモロコシもそのほとんどを輸入に頼っている状態です。遺伝子組み換えハイオッケー状態でもあります。人間用の輸入小麦ですらあんな…なのに、家畜用の穀物の保管方法なんて、一体どうなっていることでしょう。人は授乳中アルコールを控えるように言われます。母乳にアルコールが含まれて、赤ちゃんの成長に影響するためです。農薬まみれのエサを食べた牛の母乳は私達にどんな影響を与えると思いますか。
カルシウムを摂るには牛乳!
吸収率が一番良いのは牛乳!
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私も栄養士になるために学校で学びました。献立を立てる時、一番苦労したのがこのカルシウムでした。乳製品を入れてしまえば一発で基準量をまかなえるのも事実。確かに日本人のカルシウム摂取量は不足しがちです。ですが、食の欧米化が進み雑穀や豆、海藻や魚を丸ごと食べたりしなくなったから足りなくなったのです。ちゃんとした和食を食べていれば無理に牛乳を飲まなくたって良いと思うのです。お味噌汁は作り方次第でカルシウムがたっぷり摂れます。
野菜にだって沢山カルシウムが含まれています。小松菜や大根の葉っぱにはとても多く含まれているし、一見無さそうな白菜にだって結構カルシウムがあるんですよ。調べれば意外と入ってるんだ!というものが沢山あります。カルシウムを少し意識した和食中心の食事にすれば、ちゃんと摂れます。
私は牛乳を飲まなくても骨折した事は一度も無いし、今は虫歯もありません。さすがに牛乳が入っている食品はとても多くあるので、それに関しては神経質に選びません。料理やお菓子作りには使用する時だってあります。「健康に良いから!」といってぐびぐびと飲んだりはしない。それだけ。
“選ぶ”のか”選ばない”のかはその人の自由だけど、牛乳の背景にこのような事実があると知っておくのは大切だと思います。
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