こんにちは。アト良くのカウンセラー船津静子です。ようやく涼しくなり、秋を感じる季節になりましたね。今年はとにかく暑かったので、いつもより秋が待ち遠しかったです。
今回は、アトピーカウンセリングを実際に行った症例をお伝えしていきたいと思います。40代男性の方で、下記の状況でした。
1.幼少期にはアトピーはなく、中学3年生の頃アトピーを発症する。
2.発症した、学生時代はステロイドを使用しておさまっていた。
3.何年も使用し続けて効かなくなり、脱ステを実行する。
4.母親が見つけてきた漢方薬で自分に合ったものが見つかり、長い間服用していたが、仕事がハードになり夏をきっかけに悪化する。鍼治療は続けていた。
5.夜眠れなくなり仕事にも支障をきたすようになる。
6.会社の周りの人にアトピーを理解してもらえず、サボっている、頑張っていないなどの、批判に耐えられず、14年勤めた職場を退職。
7.アトピー改善のためにストレスを受けないように、1年休職して完治させたい。
8.アトピー関連をwebで調べていたところ、”NPOアトピーを良くしたい”のカウンセリングに興味を持ち申し込む。
初めてお会いしたときの印象は、とても辛そうにしていらっしゃるということでした。かなりアトピーが顔に出ていて、マスクが手放せないとおっしゃっていました。顔を隠すようにして、カウンセリング中もずっと伏し目がちにしていらっしゃいました。
顔がヒリヒリしている様子で、その痛さが私にも伝わってきました。週1回か2週間に1回、1時間のカウンセリングで約10ヶ月間のお付き合いとなりました。全部で15回のカウンセリングとなりました。
カウンセリングの初回の頃は、こう仰っていました。「学生時代に発症したので、昔の何も苦労していない自分と比べて今がとても辛い。昔は特に白くて綺麗な肌だったし、天真爛漫だった。どうしても過去の自分と比べてしまう。人目が気になり、みんなが自分を見ているような気がする。特に顔がひどく、鏡で自分の顔を見ると何もやる気が起きなくなる。」
かなりの精神的苦痛とアトピーの辛さを訴えていました。アトピーの辛さを人に理解して貰えないことも孤立化してしまう要因でした。
私の経験では、男性の方は家族に心配かけたくないという気持ちが強く、本当に辛いことは話さずに頑張ってしまう方が多いです。男のプライドがそうさせることもあります。いつもは言わないで我慢している分、カウンセリングの場では、話し始めると止まらないくらい不安や心配事を話されていきます。
この弱い気持ちや辛い気持ちを言葉にして、吐き出してスッキリして何も無くなったら、次のエネルギーに変わっていきます。また、こういった場があるかどうかは、とても大切なことだと思っています。この不安を10回目のセッションまで、繰り返し聞き続けました。するとあるとき、急にアト良く主催のアトピーシンポジウムに自ら参加されて、神戸の皮膚科医清水良輔先生と出会いがありました。それをきっかけに、東京から神戸に通う決心をされ、実行されたのです!
東京から神戸へ月1回通うのは、かなりのモチベーションです。その後、清水先生との会話でステロイドの不安を払拭し、プロアクティブ療法に踏み切り劇的に改善されました。そして、カウンセリングも卒業され、現在再就職の活動中です。
カウンセリングをして感じたことを、伝えてくださいました。毎回、不安を聴いてもらうことで、治すというモチベーションを維持することができました。インターネットで見つけてときは、本当に一歩踏み込む勇気が必要でしたが、今は横井さん、清水先生、船津さんとの出会いに感謝しています。完治させて、自分もアトピーの方へ役に立ちたいと思います。
このことを伝えてくれたときは、涙が出そうな思いでした。最初は人に会いたくないと仰っていた方が、10人以上集まるアトピーサロンにも参加できるようになられて、神戸の清水先生のところまで通われるまでに回復されたことは、初めてお会いしたときの印象とは180度変わられました。カウンセリングは精神的な療法なので、直接アトピーを良くすることはできないかもしれません。だだ、精神的に追い詰められている心の問題を、会話や対話で解き放し、エネルギーをチャージしてから次の行動を起こすのに効用があります。
今回は、慎重な方が本気でアトピーを治す決心をし、大胆な行動を起こせるようになった症例でした。カウンセリングに申し込まれること自体がとても勇気のいる行動で、この方は自ら違いを作る一歩を実現されたのだと思います。これからのご活躍を願います。