こんにちは、「アト良く」のプロボノとして参加している齋藤小百合です。
先日「医療」と「心理」からアトピーを考えるシンポジウムにて、光栄なことにパネルディスカッションのパネリストとして参加をさせていただきました。
駒大心理学科の八巻先生、しみずクリニックの清水先生、貴子先生、そしてNPO法人アトピーを良くしたい代表の横井さんとそうそうたるメンバーの中、私でいいのか?と恐縮していましたが、とてもいい経験をさせていただいたと思っています。ご参加頂いた方、つたない話でしたがご清聴頂きありがとうございました!
パネルディスカッションではそれぞれの立場からテーマである「支援」について語っていきました。私は患者代表として率直に「どんな支援が欲しかったのか」という点について、経験を交えてお話をしました。
・家族から言われた「掻くな」という言葉でしんどくなったこと。
・アトピーが一番悪化した時に旦那さんに背中をさすってもらい、救われたこと。
・アトピーサロンで初めて共感できる仲間に出会えて嬉しかったこと。
アトピーを経験したことで、いろんな人と関わり、いろんな感情を味わったことを、振り返るきっかけとなりました。
シンポジウム終了後、たまたま目にしたアンケートで「齋藤さんと同じような経験をしており、共感ができました。」という言葉を拝見しました。それを見て、思い切って参加をし、お話をして良かったなと思いました。
今回私は70人以上の方を前に、「自らのアトピーの経験を話す」という非常に珍しい機会を頂き、自分の経験と当時の思いを多くの方に伝えることができました。
しかし、アトピー有症者の方、もしくは家族の方が辛かった経験を口にするという機会はほとんどないのではないでしょうか。私が赤裸々に自らのアトピー経験を話したのは、実はこの「アト良く」の団体のイベントが初めてだったかもしれません。
私が初めてアトピー良くしたいのみなさんと出会ったのは、約2年前のBBQイベントでした。理事の中村さんのブログでアトピーサロンの様子を見て興味があったため、思い切って申し込んだのがきっかけです。
今まで私自身もブログでアトピーの症状や気持ちを発信する中で、同じアトピー有症者の方から共感のコメントを頂き、励まされた経験はありましたが、直接的にアトピーの辛さについて多くの方に対面で語ったのは、このイベントが初めてでした。
この日のパネルディスカッションの中でも「初めて参加したアトピーサロンのイベント(BBQ)で涙が出そうになった」という当時の気持ちを話しましたが、あの時の涙は自らのアトピー経験を話す場ができたことが嬉しかったんだ、と今振り返ると思います。
アトピーはかゆくて、見た目もすごく気になる。症状のしんどさはもちろんのこと、日常生活・仕事にも影響が出てきます。ですが、「私はつらいんだ」ということを家族の前でも口に出せない方も多いのではないでしょうか。
皮膚科でも症状を一瞬見せて薬を出されて終わりというところが多く、「どこがかゆくてしんどいのか」までとても聞いてはくれません。今回シンポジウムに参加してくださった清水先生のしみずクリニックではアトピーと心理にも着目し、カウンセリングも取り入れている、とのことですが、そうした皮膚科は本当に稀です。
だからこそ、アトピーサロンという場が必要で、多くの方から求められ続けているんだと思います。私も何回も参加して、自分の経験を話すこと、そして同じつらさを経験している人の話を聞くことで気持ちが癒されていくのを実感しています。
今回パネルディスカッションという場で参加者の皆さんに自分の経験を聞いてもらい、「共感しました」と言ってもらえたことで、「私でもできることがあったんだ」と私自身とても救われたような気持ちがしました。話すことで伝えた相手だけではなく、自分も力をもらうことができました。
「私はこんなことがつらい」と口にすることは、とても大事なことだと思います。
アトピーの方は真面目で我慢をしてしまいがちですが、そんな時こそ自分の気持ちを素直に吐き出す相手が必要です。アトピーでつらい思いをしたこと、しんどかったこと、是非みなさんにも直接信頼できる相手に話をしてもらいたいと思います。身近な家族や友人が理解をしてくれないと感じたら、同じアトピーの辛さを共感できるアトピーサロンに足を運んでみてください。
どんなことでも否定せずに受け止めてくれる環境が、「NPO法人アトピーを良くしたい」にはあります。いつか私もみなさんのお話を聞けるのを楽しみにしています。